アクリル板を加工する際の注意点は何ですか?
アクリル板を加工する際の注意点は何ですか?
1.アクリル板の優れた加工性について
アクリル板は加工しやすく使い勝手がいいことから、私たちの生活の中で幅広く活用されています。アクリル板は「アクリル樹脂」と呼ばれる合成樹脂を主原料とした透明度の高いプラスチック板で、透明性、耐候性、強度、軽量性、加工性に優れた特徴を持つ素材です。アクリル樹脂で作られているアクリル板はプラスチック素材の中でも加工が容易で、カット、曲げ、接着、成型など多くの加工方法が利用できます。加工性に優れているため、建築資材、産業機器や医療機器などの産業用途で使用されてる一方、収納ケース、フォトフレームや棚板などDIYでも使用されている素材です。
このように幅広い分野で活用されているアクリル板ですが、どんな加工ができるのでしょうか。また、加工する際にはどのようなことに注意が必要なのでしょうか。今回は、アクリル板の加工方法について分かりやすく解説します。
※アクリル板の性質については こちら
2.アクリル板の加工方法
前途した通り、アクリル板はプラスチック素材の中でも加工がしやすい素材です。アクリル板の加工には、カット、穴あけ、切欠き、曲げ、接着といったさまざまな方法があります。ここからはアクリル板の加工方法と注意点を詳しく解説します。■アクリル板の加工方法①「カット加工」
アクリル板をカットすることを「カット加工」といいます。アクリル板をカットする際は専用のカット機や業務用のノコを使用し切断します。加工性に優れたアクリル板は好きなサイズや形のカットが可能なためDIYでも人気のある素材です。写真立てや、収納ケースなどさまざまな形にカットすることで目的に応じたオリジナル製品を作ることができます。アクリル板をカットした際に最も注意していただきたいのは切断面の加工処理です。安全面を考慮し、切断面に加工処理を施す事がとても重要です。切断端面の仕上げは3種類ありますので、それぞれの特徴をみてみましょう。
【磨き仕上げ】
鏡面機という特殊な機械で切断面を平らで光沢がある状態に仕上げます。糸面取り加工(※)を施しますので手で触れても安心です。アクリルの最大の特性である美しい光沢を活かすには、磨き仕上げがおすすめです。板厚が厚くなるほどその美しさは際立ちます。
【カンナ仕上げ】
ノコで切断後に表面の凸凹を薄く削り取った状態です。ノコ目がなくなり表面がなめらかになり、ツヤ消し調の仕上がりです。糸面取り加工(※)を施しますので手で触れても安心です。
【切りっぱなし】
ノコで切断したままの状態ではエッジが立っています。糸面取り加工(※)は施しておりません。手で触れる場所でお使いの場合は「磨き仕上げ」、または「カンナ仕上げ」を選択されることを強くおすすめいたします。
(※)糸面取り加工とは
アクリル板 切断端面でのケガ防止のため、 全ての辺のエッジを0.2~0.3mm程削り取る加工のことを言います。アクリル板加工専門業者は、手で触れるもの、特にお子様が触れる可能性があるものには必ず「糸面取り加工」を施します。 「切りっぱなし」のエッジの立った状態で切断端面を指で強くこすりますと指が切れてしまいます。安心な「磨き仕上げ」「カンナ仕上げ」がおすすめです。
※アクリル板の切断端面の仕上げの種類については こちら
■アクリル板の加工方法②「角R(角丸め)加工」
アクリル板の角に丸みを出すことを「角R(かどあーる)加工」といいます。アクリル板の角を丸くカットすることで主に安全性の向上を目的としています。角Rを施した面のことを「R面」といい、デザイン性、手触り、使いやすさの向上にもつながります。
※アクリル板の角R(角丸め)加工については こちら
■アクリル板の加工方法③「角斜めカット加工」
アクリル板の角を斜めに切り落とすことを「角斜めカット加工」といいます。アクリル板の角斜めカット加工を活用することで三角形、八角形、台形などの形に加工することが可能です。また、配線、柱などを逃がすスペースとしてアクリル板のコーナー処理に多用されています。
※アクリル板の角斜めカット加工については こちら
■アクリル板の加工方法④「テーパーカット加工」
アクリル板の加工面に傾きををつける加工のことを「テーパーカット加工」といいます。テーパーとは傾きや傾斜している形状のことを言います。テーパー加工を施すことにより、接続部の密着性が高まりパーツ同士の精密な組み合わせが可能になります。
■アクリル板の加工方法⑤「穴あけ加工」
アクリル板に穴を開ける加工のことを「穴あけ加工」といいます。アクリル板への穴あけ加工のポイントは「位置決め」と「穴切削(あなせっさく)」です。一般の方の場合、目視で穴位置を決めるため、精度を要するアクリル板には正確な位置への穴あけ加工は困難です。正確に位置決めができたとしても 切削途中にアクリル板にヒビが入る、機材がすべってアクリル板にキズがつくなど、材料のアクリル板を無駄にしてしまうリスクも伴います。一方、アクリル板加工専門業者では、大型の精密機械で正確な穴あけ加工をいたします。穴の種類、穴の大きさ、アクリル板の厚み、板端から穴端までの距離など、仕様によって最適な加工方法を選択し加工します。穴あけ加工は4種類ありますので、それぞれの特徴をみてみましょう。
【丸穴加工】
真円のストレート貫通穴を「丸穴」といいます。アクリルオンラインでは直径1mm~500mmまで0.5mm単位でアクリル板を加工する穴の大きさの指定が可能です。
【タップ穴加工】
メスのネジ山が切ってあるネジ穴を「タップ穴」といいます。
アクリルオンラインではアクリル板の厚みによってM3~M8まで指定ができます。アクリル板に直接ネジを固定することが可能です。
【皿ザグリ加工】
皿ネジの頭を板の面から飛び出ないように平らに固定するための貫通穴を「皿ザグリ」といいます。
アクリルオンラインではアクリル板の厚みによってM3~M8まで指定ができます。
【平ザグリ加工】
キャップボルト(六角穴付きボルト)の頭を板の面から飛び出ないように固定するための段付き貫通穴を「平ザグリ」といいます。
アクリルオンラインではアクリル板の厚みによってM3~M8まで指定ができます。
■アクリル板の加工方法⑥「切欠き加工」
アクリル板の一部分のみをカットして切り抜くこと、あるいは抜き落とす加工のことを「切欠き加工」といいます。例えば配線を通すために一部分に欠けを作ったり、テーブルの天板などでコンセントを避けたい場合などに欠けを作ったりと便利な加工です。アクリルオンラインでは、X1、Y1は0~500mmまで、X2、Y2は2~500mmまで0.5mm単位で指定できます。切欠き角A~Dの角R(角丸め)を半径0.5~500mmまで0.5mm単位で指定できます。
■アクリル板の加工方法⑦「曲げ加工」
アクリル板を折り曲げ角度をつける加工のことを「曲げ加工」といいます。加熱曲げ装置を用いてアクリル板に角度をつけて曲げます。接着構造とは異なり、丸みをつけることで柔らかい仕上がりになるのが特徴です。卓上のネームプレートやスマホスタンド、サインボードなどさまざまな用途にご利用いただけます。■アクリル板の加工方法⑧「接着加工」
アクリル板とアクリル板をくっつける加工のことを「接着加工」といいます。接着方法は、正面から接着面が見えない「側面板外出しタイプ」と正面から接着面が見える「側面板中入れタイプ」があります。「側面板外出しタイプ」の方が見栄えが良いのでがおすすめです。フィギュアを飾るケースや、小物や衣類を収納するケースなどお作りいただくことが可能です。3.アクリル板加工時の注意点
ここまではアクリル板の加工方法についてご紹介しました。アクリル板は加工性が高く扱いやすいのでDIYの分野においても人気のある素材です。 ご自身でアクリル板の加工を行うとなると細心の注意をして作業する必要があります。実際にDIYを行う際は、以下の点に注意して行うようにしましょう。- 手を切らないように、手袋を必ず着用してください。
- カットする時に定規を使用する場合、定規が滑らないようしっかりと押さえてください。
- カットした断面は鋭利になっているので取り扱いには注意してください。
- カットした断面を触るのは危険です。手袋を着用しヤスリで断面の処理をしてください。
- 電動ドリルなどを使用して穴あけ加工を行う際には、切削抵抗で熱が発生し穴の内面が溶けてしまう可能性があります。十分注意してください。
- 局部的に熱を加え曲げ加工をする際には、熱収縮した部分が歪み割れてしまう可能性があります。十分注意してください。
ご自身で加工する場合には、サイズに誤差が出たり時間や手間がかかり思い通りの仕上がりにならない場合があります。 アクリル板の変形カットや穴あけなどは、アクリル板加工専門業者に依頼することをおすすめします。
4.アクリル板の加工、DIYならアクリルオンラインで!
いかがでしたでしょうか。アクリル板は加工性の高さからものづくりに適した素材です。アクリルオンラインではアクリル板の加工性を最大限に活かした製品作りをサポートしています。アクリルオンラインでは「カット加工」「角斜めカット加工」「テーパーカット加工」「角R(角丸め)加工」「穴あけ加工」「切欠き加工」と多数の加工に対応しています。アクリルオンラインでは穴の種類、穴の大きさ、アクリル板の厚み、板端から穴端までの距離など、仕様やお客様の用途に合わせて最適な加工方法を選択し、日本国内工場の熟練職人たちの手によって精密な加工をいたします。安心してアクリル板の加工をお任せください。
アクリル板の加工がアクリルオンラインなら簡単に実現します。 難しいから簡単に!アクリル板を使った製作・DIYをアクリルオンラインで手軽に楽しんでみませんか?
※アクリル板を使ったお客様の製作事例は こちら