アクリル板とポリカーボネートの違いは何ですか?
アクリル板とポリカーボネートの違いは何ですか?
1.ポリカーボネートとは
アクリル板とポリカーボネートってどこがどう違うの?と疑問に思った事はありませんか。どちらも私たちの日常生活で多く使われている素材です。ご自身で何かを作ったりアレンジするDIYなどで使う時にはどちらの素材を選ぶべきか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。今回はアクリル板とポリカーボネートの違い、ポリカーボネートの特徴やそれぞれの素材のおすすめの使い方を解説します。アクリル板は「アクリル樹脂」から作られたプラスチック素材を板状にした素材です。一方、ポリカーボネートは「ポリカーボネート樹脂」から作られたプラスチック素材です。
ポリカーボネートはアクリル板と比べると耐衝撃性や耐熱性などに優れており、カメラのレンズやヘルメット、車部品、CDやインテリア用品など幅広い用途で活躍しています。このようにさまざまな使い道があるため、ポリカーボネートはプラスチックの中でも生産量が多く、広く普及しています。
※アクリル板とは何ですか?の記事は こちら
※アクリル板はどんな素材?の記事は こちら
2.アクリル板とポリカーボネートの違い
アクリル板もポリカーボネートも私たちの生活の中では欠かせない素材です。どちらもプラスチック素材の仲間で、見た目もよく似ているのですが、この二種類には大きな違いがあることをご存じですか。アクリル板とポリカーボネートの特性の違いについて比較し、その比較ポイントについても詳しく解説します。アクリル板とポリカーボネートの比較表 | ||
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アクリル板 | ポリカーボネート | |
耐衝撃性 | 〇 | ◎ アクリル板の約50倍とプラスチックの中では最高クラス |
透明性 | ◎ 透明性を持つプラスチックの中で最も透明度が高い |
〇 |
燃焼性 | △ | ◎ 火源があると燃え続け、火源が無くなると燃焼しない自己消火性 |
加工性 | ◎ さまざまな種類の加工が可能 |
△ |
費用 | ◎ 安価で容易に調達が可能 |
△ |
■耐衝撃性
耐衝撃性が高いのがポリカーボネートの大きな特徴です。ポリカーボネートはアクリル板と比較すると約50倍、ガラスと比較すると約200倍の耐衝撃性を持った割れにくい素材です。またポリカーボネートは耐候性にも優れているため屋外の壁材、屋根材にも適しています。強風で飛来物が当たってもアクリル板やガラスに比べて破損する可能性は低くなります。
■透明性
アクリル板もポリカーボネートも透明性においては樹脂の分類の中では最高クラスです。全光線透過率はアクリル板が93%、ガラスが90%、ポリカーボネートが86%と、ポリカーボネートの透明度はアクリル板やガラスにやや劣ります。そのため、ポリカーボネートは透明度が優先されるディスプレイ、額縁の表面カバーには不向きです。
■燃焼性
ポリカーボネートは火源があると燃え続け、火源が無くなると燃焼しなくなる自己消火性を有しています。 耐熱温度はポリカーボネートが125℃、アクリル板が80℃と、ポリカーボネートは耐熱性にも優れています。
■加工性
DIY分野においてアクリル板はカット、穴あけ、熱曲げ、接着などの加工性が高いため、扱いやすさが人気の素材です。一方ポリカーボネートは熱曲げ、接着などには不向きなため用途が限定的です。またアクリル板に比べ表面硬度が低いため、キズが付きやすいといったデメリットがあります。
■費用
エンジニアリングプラスチック(エンプラ)に分類されるポリカーボネートは、その機能性の高さから一般的にアクリル板よりもコスト高になります。
3.ポリカーボネートの種類、平板の特徴
ポリカーボネートの中でも応用範囲が広く、多岐にわたり利用されているのが「平板」という種類です。優れた性質を持ち、さまざまな用途に対応している「平板」の特徴を解説します。ポリカーボネート「平板」の特徴 |
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・平面の板で、アクリル板のような一枚板タイプ |
・ポリカーボネート樹脂を原料とした素材で強度が高い |
・透明なものから色付のものまであり種類が豊富で汎用性が高い |
・屋内用、屋外用のタイプがあるので、用途によって使いわけができる |
・看板、ドア、パーテーション、屋根、カーポートなどに適している |
このようにポリカーボネートの「平板」はプラスチック類の中でも強度が高く、建築資材、産業資材、農業等の資材としても需要の高い素材です。中でも屋根材としての利用において人気があります。また、色、厚みのバリエーションが多く使用用途に応じてお好きなものを選べる事ができるのも人気の理由です。
※ポリカーボネート板の色見本は こちら
※ポリカーボネート板 オーダーカットは こちら
4.ポリカーボネートの特徴
優れた性質をもち、さまざまなシーンで使用されているポリカーボネートですが、メリットだけでなくデメリットも持っています。では、どのようなメリット・デメリットがあるのかそれぞれの特徴をチェックしてみましょう。ポリカーボネートの特徴 | |
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メリット | ・耐衝撃性が高く割れにくい ・耐候性が高く屋外使用に適している ・火源を離すと火が消える「自己消火性」を備えている ・吸水性が低い |
デメリット | ・傷がつきやすい ・アルカリ性に弱い ・反りが出る可能性がある ・加工性が低い ・コストが高い |
5.アクリル板とポリカーボネートの用途と選び方
さて、ここまではアクリル板とポリカーボネートの違いと素材の特徴について解説しました。アクリル板とポリカーボネートの特性の違いや、ポリカーボネートの特徴についていかがでしたでしょうか。アクリル板とポリカーボネートは同じプラスチック素材の仲間であっても、種類によって特徴も大きく異なるため、各素材の特性を把握したうえで用途に適した素材選びが必要です。ここからは、アクリル板、ポリカーボネートの特性を活かした用途について解説します。
■アクリル板
アクリル板は透明度が高く軽量で、耐衝撃性、耐候性、耐久性を備えている素材です。加工のしやすさからも、ディスプレイ、広告、医療、自動車など多岐にわたり使用されている素材です。 アクリル板が向いている用途は、収納ケース、コレクションケース、額縁、写真立て、ペットケージなど透明性や加工性の高さを活かした使用がおすすめです。軽くて強いアクリル板は、棚板、テーブルマット、照明カバーなどインテリアとしての使用もおすすめです。
■ポリカーボネート
ポリカーボネートは強度が高いだけではなく成型に適しているため日用雑貨での使用が多い素材です。洗濯ハンガー、スーツケースの外装、文房具、スマートフォンのボディ、アウトドア用品、工具類、機械部品、電子機器など多岐にわたり使用されている素材です。 耐衝撃性に優れており飛来してきた物がぶつかった場合でも割れにくい事から、カーポートやベランダの屋根材や壁材に適しています。特にその強度を求められる防弾材や航空機の窓材としても活躍しています。
いかがでしたでしょうか?今回はアクリル板とポリカーボネートの違いについて解説しました。アクリル板やポリカーボネートの特徴を理解したうえで用途に適した素材を正しく選び、この機会にDIYに挑戦してみてはいかがでしょうか。
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