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アクリル樹脂の利点は何ですか?

アクリル樹脂の利点は何ですか?

1.優れた特性を持つアクリル樹脂について

アクリル板とヒロミさん アクリル樹脂は優れた特性から幅広い用途で活躍する合成樹脂です。石油を原料とした高分子体である合成樹脂の中でも「熱可塑性樹脂(ねつかそせいじゅし)」に分類されます。 アクリル樹脂は透明性が非常に高く、ガラスのような外観から「有機ガラス」と呼ばれることもあります。一方で「無機ガラス」はミネラルガラスの事を指しており一般的なガラスにあたります。
※有機ガラスとは、合成樹脂のうち無色透明でガラスの代用になるもの。
※樹脂の種類についての図は こちら

アクリル樹脂は透明性、耐候性、耐久性、軽量性、加工性など、その特性は多岐にわたります。特に高い光学特性があり、ガラスよりも光を透過するという性質からレンズや光学機器、ディスプレイなどの分野で活用されています。そんな優れた特性を持つアクリル樹脂の利点や特性について、アクリルオンラインが詳しく解説します。
※光学特性とは、可視光線に対する物質の応答(吸収、反射、透過等の特性)のこと。

2.利点となるアクリル樹脂の特性、強み

アクリル樹脂の持つさまざまな特性は、幅広い用途でアクリル樹脂が選択される理由であり、大きな利点です。以下で特性や強みを詳しくみていきましょう。

■アクリル樹脂の特性①「透明性」

アクリル樹脂は透明度に優れ、透過率が高いため、光学レンズや光ファイバーの製造において最も使用される素材の一つです。透明度を活かし水族館の大型水槽から店舗ディスプレイ他、医療分野まで幅広く使用されています。

アクリル樹脂はガラスよりも優れた透明性を持つ素材です。アクリル樹脂の可視光線透過率は92%と、汎用樹脂の中では最も高い透明性を誇ります。ガラスの可視光線透過率は90%程度となりわずかにアクリルの透過率が優れています。
※可視光線とは、電磁波のうち人に見える波長のもの。いわゆる光のこと。
※アクリル板の透明度についての記事は こちら
※アクリル板の透明性を活かしたキッチンまわりの用途の記事は こちら

■アクリル樹脂の特性②「耐候性」

アクリル樹脂の持つ耐候性は、屋外など外部からの影響が激しい環境(太陽光や風雨・雪などの気象条件)で使用される場面でその機能を発揮します。耐候性を活かし航空機の窓や車のランプカバーなど、厳しい条件下で信頼性が求められる分野で普及しています。屋外での長期間使用にも十分に耐えうるため、看板や建築などにも使用されています。 アクリル樹脂は紫外線にさらされても劣化や変色しづらい優れた耐候性を持つ素材です。
※アクリル板の耐候性についての記事は こちら
※アクリル板の耐候性を活かした額縁の用途の記事は こちら

■アクリル樹脂の特性③「耐久性」

アクリル樹脂は高い強度を誇り、機械部品や透明な保護カバーなど、さまざまな分野において耐久性が求められる場面で活用されています。使用条件によって異なりますが10~20年程度の耐用年数があるとされています。水族館の巨大水槽にも使用されており、高い水圧にも耐えられる耐久性と、優れた耐衝撃性を兼ね備えています。 アクリル樹脂はガラスの10倍以上の強度があると言われています。万が一破損した場合でも、割れた破片が飛び散らないため、安全性にも優れた素材です。
※アクリル板の強度・耐衝撃性についての記事は こちら
※アクリル板の耐久性を活かした室内窓の用途の記事は こちら

■アクリル樹脂の特性④「軽量性」

アクリル樹脂は非常に軽量な素材で、アクリルの比重は1.19です。それに対してガラスの比重は2.5です。水の比重は1.0ですからアクリルは水の1.19倍重く、ガラスは2.5倍重いことになります。 アクリル樹脂はガラスの約半分の重量のため高所などのさまざまなところに設置できるのも利点です。この軽量性は建築資材、特にガラスの代用品として昨今注目を集めています。
※アクリル板の重さについての記事は こちら
※ガラスからアクリル板へ交換をおすすめする理由の記事は こちら

■アクリル樹脂の特性⑤「加工性」

アクリル樹脂の優れた加工性は複雑な形状やデザインの製品を生み出すのに適しています。この加工性は、特殊な形状のディスプレイパネルや複雑な形状を持つ医療機器の部品など、さまざまな産業で設計の自由度を高め、製品の多様性を生み出しています。アクリル樹脂は加工が容易で切削、曲げ、接着、熱成形など多くの加工方法が利用可能です。その 汎用性の高さからDIYにも広く利用されており、接着剤による貼り合わせも可能な優れた加工性を持つ素材です。
※アクリル板の穴あけ加工の種類についての記事は こちら
※アクリル板の加工性を活かしたゲームコントローラー(アケコン)の用途の記事は こちら

3.アクリル樹脂の利点を活かした活用例

アクリル樹脂は利点である高い透明性や強度などの優れた特性が求められる分野で、さまざまな活用例が見られます。

医療機器の製造では、透明な部品が必要とされることが多く、アクリル樹脂はその要件を満たす素材として選ばれています。透明性を損なわずに高い強度が確保できるため、手術室や医療機器の透明なカバー、観察窓などに使用されています。

航空分野では、高い耐久性と強度が求められ、同時に優れた透明性で視界の確保もできる航空機の窓、風防、キャノピーなどに使用されています。

さらに、アクリル樹脂の加工性や柔軟な成形性は、複雑な形状の部品製造にも適しています。例えば、自動車のヘッドランプやテールランプのカバー、ディスプレイパネル、産業機器の透明なパネルやパーツなど、多岐にわたる製品に採用されています。

設計の自由度が高く、高い透明度と耐久性を併せ持つアクリル樹脂は、多様な産業で革新的なソリューションを提供できる樹脂素材といえます。前述した活用例はほんの一例です、アクリル樹脂を使用する分野と活用例をまとめましたのでみていきましょう。

アクリル樹脂を使用する分野と活用例
分野 活用例
建築 商業施設の外観デザインパネル、建物の外部デザインに使われる透明なパネル、屋内の仕切りや手摺り
インテリア ホテルやレストランのインテリアパネル、照明器具のカバー
サイン・ディスプレイ 屋外看板、空港や駅の案内サインボード、店舗用ディスプレイ
医療 検査装置の窓、高透明な器具の部品
自動車 ヘッドランプ・テールランプのカバー、ダッシュボードのパネル、ドアバイザー
電子機器 液晶ディスプレイの導光板、携帯電話の表示窓、ATMや自動販売機のディスプレイ
航空機 航空機の窓、風防(ウインドシールド)、キャノピー
鉄道 鉄道設備のスイッチカバー、駅の案内板、車内の透明な仕切りや表示板


4.アクリル樹脂の利点についてまとめ

今回はアクリル樹脂の利点である特性ついて解説しました。 アクリル樹脂は透明性、耐候性、耐久性、軽量性、加工性などの優れた特性を持ち、さまざまな分野で特性を活かし、活用される素晴らしい素材です。建築、インテリア、自動車、電子機器、航空、医療分野まで幅広く利用されており、アクリル樹脂の未来の展望はますます広がっています。 もちろん利点だけではなく欠点も存在しますので使用する際には注意が必要です。安心・安全にアクリル樹脂を活用するためにも特性・性質に対する理解を深めていきましょう。
※アクリル板の欠点についての記事は こちら

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