アクリル板の欠点は何ですか?
アクリル板の欠点は何ですか?
1.アクリル板の欠点について
「プラスチックの女王」と呼ばれるアクリル板は透明度が高く、軽くて衝撃に強い、劣化しにくい、加工しやすく汎用性が高いなど優れた特性を持つ樹脂素材です。使用用途が広く利点の大きいアクリル板ですが、もちろん欠点も存在します。 アクリル板を使用する際や購入する際には利点、欠点の両方を知っておくことがポイントです。 アクリル板の主な欠点としては傷がつきやすい、熱に強くない、燃えやすいなどが挙げられますが、これらの特徴や性質についてアクリルオンラインが詳しく解説します。※アクリル樹脂についての記事は こちら
2.アクリル板の欠点となる特徴やその性質について
■傷がつきやすいという特徴
アクリル板は加工しやすい素材です。加工しやすいことからわかるように表面が傷つきやすいという欠点もあります。 プラスチックの中でも決して硬度が低い樹脂素材ではありませんが、鋭利な物や粗い素材との接触によって傷がつきやすい特徴があります。アクリルの表面硬度は2H程度(鉛筆硬度)になり、2H以上の硬いもので強く引っ掻くと傷がつきます。人間の爪は2H程度の固さですから爪で強く引っ掻くと傷がつくということです。アクリル板とよく比較されるポリカーボネートの表面硬度は2Bです。表面硬度においてはアクリル板の方が強度があることが分かります。
※アクリル板の強度や表面硬度についての記事は こちら
■熱に強くないという特徴
アクリル板は加熱すると軟化し、再び冷やすと固くなる「熱可塑性樹脂(ねつかそせいじゅし)」の一種です。 アクリル板は高温に弱い性質があり、長時間の高温環境や急激な温度変化にさらされると、板が歪んだり変色したりする可能性があります。アクリル板の使用温度は-40℃〜+80℃ですが、温度変化による伸び縮みが起こるため、温度変化が著しい場所への設置には注意が必要です。特に内照式看板は照明ランプが熱源となり冬場の温度差は非常に大きくなる可能性があります。アクリル板の線膨張係数は1℃あたり7×(10の-5乗)です。仮に点灯前と点灯中で30℃の温度差があるとした場合「30×0.00007=0.21%」となり、1m(1000mm)あたり2.1mmも伸縮するという計算になります。 内照式看板へ取り付けの際には十分なクリアランスをみることが必要です。
※アクリル板の耐熱温度についての記事は こちら
■燃えやすいという特徴
アクリル板の燃焼性は木材とほぼ同程度で、着火温度は400℃、一般の消火方法で消火できます。 燃焼速度は遅く、引火性はありませんが炎や高温源には近づけないように充分ご注意ください。また、アクリルが発火した際の燃焼ガスは有毒な一酸化炭素を含みますので煙を吸わないようにしてください。3.アクリル板のおすすめできない不向きな使用方法
優れた特性を持つアクリル板ですが、前述したような欠点からおすすめできない使用方法があります。 鋭利なものや硬いものとの接触で傷がつきやすいという特徴、燃えやすいという特徴から火事の際に延焼しやすいため外窓などの使用には不向きです。ガラス以上の透明度を持つアクリル板はガラスの交換・代用品として使用されることが増えてきていますが、ガラスの交換・代用品として窓の用途で使用する場合、外窓での使用よりも室内窓での使用が推奨されます。
※ガラスからアクリル板へ交換をおすすめする理由の記事は こちら
また、熱に強くないという特徴を持つため、鍋敷き、アイロン台などへの代用には不向きです。アクリル板の使用温度は-40℃〜+80℃のため、高温になる電子レンジには使用できませんが 、逆に低温の冷蔵庫の棚板、仕切りなどには使用が可能です。
4.アクリル板のおすすめの使用方法、活用例
アクリル板はその透明性や、軽くて衝撃に強く、加工しやすいといったさまざまな特性から多種多様な用途で活用されています。アクリル板のおすすめの使用方法や活用例をいくつか挙げてみます。切削や加工がしやすいため、DIYにも最適です。■コレクションケースや仕切り棚
アクリル板は優れた透明性があり、模型やフィギュアなどの貴重なコレクションを美しく展示するコレクションケースや、透明で圧迫感のない仕切り棚に使用されます。透明な仕切り棚は、使い勝手の良さからブックスタンドや食器の収納に役立てる方も多くいらっしゃいます。
■額縁の面板やフォトフレーム
アクリル板は透明で耐候性が高いため、絵画やアート作品の額縁の面板、フォトフレームなどの写真の保護に適しています。UVカット率が高く、経年劣化による変色や変形の心配が少ないため、美術品の展示ケースなどにも使用されます。また、ガラスよりも軽量で割れにくく、割れてもガラスのように飛散しにくいので怪我防止、安全対策にも効果的です。
■看板やディスプレイ制作
店舗の看板や商品のディスプレイにアクリル板が使用されます。軽量で加工がしやすく、設置場所や用途に合わせてさまざまな形状やサイズに対応可能です。
■室内窓、ドア窓
室内窓やドア窓にアクリル板を使用することで、通常のガラスよりも衝撃に強く割れにくいため耐久性が向上します。注意点として、アクリルはガラスと違い大きな面積で使用すると反りが出てしまうことが挙げられます。アクリル板を外窓で使用する場合は、劣化や傷の問題からあまりおすすめできませんが、内窓であれば屋外に直接当たらないため、劣化や傷の心配が少なくなります。
■保護カバー
アクリル板はガラスよりも軽量でありながら、耐久性があるため、さまざまな保護カバーとして使用されます。例えば、照明カバー、テーブルの表面を保護するテーブルマットや自作PCケースのサイドパネルなどが挙げられます。
これらはアクリル板の使用方法の一部です。アクリル板は優れた特性を活かしてさまざまな分野で幅広く活用されています。 使用目的によって適した厚みや加工方法を選び、アクリル板を最大限に活かすことができます。
※アクリル板の用途、製作事例についての記事は こちら
※アクリル板 穴あけ加工の種類や活用例の記事は こちら
5.アクリル板の欠点を理解してアクリル板のDIYを楽しみましょう!
今回はアクリル板の欠点となる特徴について解説しました。アクリル板は利点となる優れた特性を持ち、多くの分野で活用される樹脂素材です。 透明性・軽量性・耐久性・加工性をはじめとするさまざまな利点がありますが、一方で傷がつきやすい、熱に強くない、燃えやすいなどの欠点も存在するため使用する際には注意が必要です。アクリル樹脂の利点を最大限に活かし、安心・安全に利用するためにもしっかりと特性・性質に対する理解を深めていきましょう。アクリルオンラインには、アクリル板の魅力を最大限に引き出すアイデアや製作事例が豊富に揃っています。 ぜひご覧いただきながらアクリル板の魅力を感じとってください。アクリル板の加工がアクリルオンラインなら簡単に実現します。 難しいから簡単に!アクリル板を使った製作・DIYをアクリルオンラインで手軽に楽しんでみませんか?
※アクリル板(押出)オーダーカットのお客様の製作事例とレビューは こちら